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「あ!あれたべよ」大塚食品

「あ!あれたべよ」は大塚食品のレトルトカレー。パッケージには過剰なリアリティを追求するシズル的写真表現ではなく、個々人の経験の中にあるカレーの美味しさを象徴化するような、イラストと写真を重ねたものを採用しています。大塚食品は、その後の1ジャンルを作ってしまうような革新的商品を数多く生み出しています。カロリーメイト、ポカリスエット、ジャワティ、ソイジョイ、、、、アルキメンデス。カロリーメイトはいざというときの食事の概念を変え、それは大豆タンパク質に着目したソイジョイへと繋がり、いま世の中はタンパク質バー商品が溢れています。ポカリスエットはスポーツドリンクの礎となり、まだ世の中がお茶のペットボトルなど思ってもみない時に、無糖の食事に合う紅茶ジャワティを開発しました。いまではお茶を急須で入れたことのない世代が現れ、お茶=ペットボトルとなるほどです。そして知る人ぞ知る「アルキメンデス」お湯をいれずに歩きながら食べられるというインスタント麺商品。いつの時代も先取りし、ネーミングも商品コンセプトも完璧でした。しかし、時代が追いついてない商品も多かったでしょう。「あ! あれたべよ」はごはんとカレールーを同時に同一パッケージでレンジ調理できるという画期的商品。複雑な容器の形状は技術のたまもので、工場では30mの電子レンジで製造されていました。仕事の依頼が来た時、あれたべよはすでに一線ではなく、パッケージの改訂に失敗した瀕死状態でした。カレーライスとは何か、もう一度原点に立ち返り、復活を成し遂げましたが、この私たちのパッケージを最後にあれたべよは姿を消しました。この仕事に関わっている時、大塚会長は本部長に「君たちはまだレトルトをやっているのか」とおっしゃり、会長は成分変化の起きないブロッコリーのフリーズドライ食品に集中していると伺いました。さすが、遥か彼方を見据えています。

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