東京都中小企業デザイン経営支援事業

日本は周知の通り、中小製造業によって支えられており、東京都にも様々な製造業の方々がいます。そして広報部やデザイン部はその重要さに反して中小企業では内部に持つことが難しいという現実があります。広報部の役割は他社とは異なる区別をして、自分たちを「どう見せるか」です。この区別が焼印を起源とする「ブランド」の根源的な意味合いとなります。広報部のいない企業や組織に対して、自分たちが属している組織を客観視できるようにし、区別をアウトプットする為の最適な方法を見いだすお手伝いをします。主人公は創業者でも社長でもなく、企業自身であり法人格という人格です。このやりとりが日本を変えるのではないかと思いながら、日々試行錯誤しています。

ハイメックス カタログ1

ハイメックス

印刷現場などで重たい原反ロール紙を扱う現場では常に危険が伴い、事故や素材の損傷も多かったそうです。ハイメックスではマテリアルハンドルという小型運搬機器を完全受注生産で制作しています。とてもニッチな製品群であり多岐にわたる製品のため理解と把握が難しく、社長以外は製品体系の全体がわからない状態でした。そこで私たちが一緒に「マテハン小道具カタログ」を制作することになりました。公開不可で実物写真が使えないため、イラストのみでわかりやすく説明して、お客様に具体的な提案が誰でもできるように工夫。社員の方々と実際の現場にも赴き、一緒に商品知識を深め、全く知識のない人達でも見ていくだけで理解できるレベルを目指しました。スタートから1年ほどかかりましたが社内でも製品の理解が進んだと喜んでいただけました。対外的にも内部的にも情報をわかりやすく整理し丁寧に伝えることは重要でデザインの大切な役割です。

後日展示会でこのカタログをご覧になった印刷会社の方より「現場のことをよく理解している」と大変嬉しい評価をいただきました。

第一合成 文化財カタログ1
第一合成 文化財カタログ2
第一合成 文化財カタログ3
第一合成 文化財カタログ4
ハイメックス カタログ2
ハイメックス カタログ3
ハイメックス カタログ4

第一合成株式会社

およそ138億年前に宇宙が誕生し、太陽から地球が産まれ、原子植物や小さなものから恐竜が歩き出し、進化の過程で人間が現れ今に至る我々の世界。第一合成は遺跡の発掘調査や文化財にまつわる様々な道具を扱っている希有な会社です。文化財関連の製品カタログの表紙は「テンバコ」という主に工業分野で使う樹脂製の箱をモチーフに、この世界を四角形の集積で表現しました。創業者のアイデアと柔軟な適応力によって、工業分野から文化財さらには森林事業へと向かっています。一つの箱から太古の世界まで繋がるダイナミックな世界感はこの会社のアイデンティティで、ブランドの骨格です。

第一合成 真弧バナー

「真弧(まこ)」という計測道具をご存知でしょうか。誰が発明したかは謎ですが、遺物を扱う人たちはみな机の引き出しに使い込まれたMyマコを持っています。金属製は海外にも存在しますが、竹製は日本だけでその精度の高さと使い易さから世界中の研究者の憧れの道具となっています。なんとルノーのF1チームもこの道具で流線形を計測しているそうです。今回特別な許可をいただき、撮影することが出来た八王子郷土資料館所蔵の縄文土器(重要文化財)。カメラマン矢野信夫さんの細部まで気配りが行き届いた空間の中で、真弧と土器の間に時間を超越した緊張が漂っていました。